2025年の芸能ニュース総括、令和式「可愛い」が氾濫するなか、人気者が次々と消え「娯楽の王様」は晩年を迎えた【宝泉薫】
◾️令和の魔女化現象と無敵フェミ
ただし、モヤっとしたままでもいられない。こうしたスキャンダルには、令和の魔女化現象とでも呼びたい問題が関係したりしているからだ。
早い話、中居正広を引退に追い込み、フジテレビを震撼させたのは、X子という名の元・女子アナだった。花形職業でもある女子アナのなかには、のちにキャラが激変する人がいて、小島慶子や小林麻耶、菊間千乃らが当てはまる。
折りしも10月から12月にかけて、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の再編成版が放送された。この作品において、祈りや希望から生まれた魔法少女は、やがて呪いや絶望を溜め込むことで、魔女化する。女子アナの一部も、これと似た感じで、笑顔をふりまくかわりに、他者への批判性などを増していくわけだ。
もっとも、かつてのヨーロッパにおいて、魔女は狩られる対象だった。それが令和の日本においては、火あぶりになるどころか、一定の保護を受けることになる。X子の場合も、メディアは腫れ物に触るように扱い、その実名による仕事や言動もほぼ好意的に報じられてきた。
そのかわり、狩られるのは中居のような存在だ。構図としては、フランス革命における王族や貴族の立場に近い。長年おいしい思いを味わってきたと見なされ、市民の不満や鬱憤の爆発によって、ギロチンにかけられてしまった印象である。
その不満や鬱憤には、おそらく反権力的な感情も含まれていて、それゆえ、正義感と結びつき、暴走につながりやすい。令和の日本もまたしかりだ。特に最近、厄介なのはフェミニズムというやつだろう。
これは男性全員を長年おいしい思いを味わってきた権力者と見なし、女性全員で叩き、罰していこうという思想なので、とにかくスケールが大きい。また、男性と仲良くやれている女性、たとえば高市早苗のような人を敵視するという傾向もある。
そういえば先日、別の仕事のために読み返した『紅一点論 アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』(斎藤美奈子)も今さらながらそういう内容だった。それこそアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のヒロイン・森雪についても「どうしても必要な人材ではない」「自国の存亡を担っているにしては色恋ボケ」などとこきおろす。連続アニメ版を見たうえで書いているようだが、その最終回において、森雪が仮死状態になりながらヤマトの、ひいては地球の危機を勇敢に救ったことは無視したいようだ。
そもそも、フェミニズムの首魁というべき上野千鶴子が「嘘はつかないけど、本当のことを言わないこともある。(データを出さないことも?)もちろんです」などと言っているくらいなので、そういう戦略なのだろう。
それゆえ、簡単に負けを認めないし、謝ることもしない。たとえば「草津町虚偽告発事件」において、冤罪被害に遭った黒岩信忠町長は「会うつもりはない人」として、こんな例を挙げている。
「フェミニストの北原みのり氏。彼女は犯行現場とされるガラス張りの町長室も見て、そこでの犯行が不可能なことを確認していますが、それでも非難を続けていました」
北原は女性町議がレイプの告発をした際『まるで現代の魔女狩り? 性被害を訴えた草津町議会女性議員へのリコール』という記事を書いた。その記事は今も「AERA DIGITAL」に掲載されている。
また「結果として草津町長をはじめ関係者の皆様にご負担をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます」というコメントを発表した全国フェミニスト議員連盟にしても「結果として」「ご負担」という表現に謝罪の念が感じられないという指摘が出た。たしかに昔、会見で「反省してまーす」とゆるゆるの謝罪をやって叩かれたスノーボーダーもいた。「心より」の「お詫び」かどうかは、自然と伝わるものなのだろう。

それはさておき、狩られる心配のない令和の魔女は無敵だ。その一方で、この時代に狩られてしまう女性というのは、逆に魔女性が低いのではという仮説も成り立つ。「185キロのスピード違反などで活動休止」(前出のニュースランキングでは3位)の広末涼子や「田中圭との不倫疑惑」(同じく4位)のあたりは、X子に比べたら可愛いものだという気がしなくもない。

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